新規事業企画提案

ハイドロカルチャーを家庭で楽しむ

   一戸あたりの面積が狭い日本の家庭では、広い庭で思い切り園芸を楽しむのは難しい。かといって室内に土を持ちこむのには抵抗がある。

   このような問題を一気に解決できるのがハイドロカルチャー。
   これからの家庭内園芸に不可欠な要素となっていくだろう。

家庭内インドア園芸の可能性
   昨今、ハンギングバスケットやコンテナガーデンが普及し、寄せ植えを作り、育てて楽しむ人が増えてきている。その影響で、花苗の需要も著しく伸びている。また、イングリッシュガーデンのような洋風ガーデンも人気が高い。このように、現在人々の間でアウトドア園芸は大変なブームとなっている。

   しかし、都市圏では庭があっても猫の額ほどの広さしかなく、陽のあたるところも少ないというのが実情だ。土いじりをしたくても、マンションのベランダでは限界がある。このような都会の消費者に、家の中でもコンテナガーデンを楽しめるような提案をしてみたらどうだろうか。

   家庭室内における日本人の清潔好きは世界一ではないだろうか。欧米ではほとんどが土足入室で、土が落ちていても気にならない。一方日本人は、部屋にホコリが落ちているだけで気になってしまう。ましてや室内で土いじりをし、それを食卓に飾ろうとはまず思わないだろう。

   その点ハイドロカルチャーは、土の代わりに無機質の発泡煉石を使うので清潔であり、食卓に飾っても気にならない。切り花感覚で気軽に寄せ植えを楽しむこともできる。また、水を溜められるので器を選ばず、穴のあいていない身近な陶器やガラス等にも植えられるため、器と植物の組み合わせも楽しめる。

   清潔であることから置き場所も選ばず、食卓、キッチン、バス、サニタリーと、さまざまなところに提案ができる。

   最近アウトドア園芸のブームで影をひそめているインドア園芸ではあるが、家庭での生活時間が長い室内こそ、これから伸びる分野だと確信している。

   そのカギを握るのがハイドロカルチャーであることは間違いない。
●店舗販売での効果的な普及活動
   ハイドロカルチャー商品を店頭販売する場合、花苗のように普及浸透している商品ではないので、お客様に使い方や楽しみ方ができるだけ伝わるような陳列を工夫したい。

   できれば植物と関連資材は一緒に、一つのコーナー内に並べた方がよい。植物は外容器とセットにしたものだけではなく、内鉢植物を品種・サイズ・数とも豊富に揃え、器も各種さまざまなものを用意し、お客様が器と植物の組み合わせを自由に選べるようにする。

   オアシスなどに挿した苗も寄せ植え素材として花苗感覚で販売し、テラリウムやガラスの容器などを用いてカラーサンドによる演出を行ったり、陶器製の動物などと合わせて飾ってもおもしろい。新しいオリジナルのアイデアが次々と生まれるのも、ハイドロカルチャーならではと言えるのではないだろうか。

   ヨーロッパでもこの手法で着実に普及されてきたのだ。また、ハイドロ教室なども開いて、さまざまなテーマでの楽しみ方を紹介したい。接客によってお客様とコミュニケーションを持つ展開こそ、園芸店で行う必要があるのではないだろうか。

 

●ソラグリーン
   観葉植物は確実に有機ガスを除去するというNASAの報告をもとに、日本でも空気浄化作用のある室内植物の開発が進められた。有機性ガスを除去する植物の能力を一層高めるために、浄化分解機能を高める有用微生物が人工的に根に植え付けられた。また、ハイドロカルチャーを使うと最大の効果が得られることもわかった。

   有機質土壌には多種の微生物が存在するが、ハイドロカルチャーの場合は無機質の発泡煉石を使用しておりこの有用微生物だけが生息するため、活性が高まり除去効果も上がるのである。さらにタバコ、トイレ、生ゴミ、ペットなどの臭いを取る脱臭培土を地表に置いて効果を高める工夫もされた。

   この空気浄化機能を持った植物は「ソラグリーン」と命名され、普及されるようになった。植物の大きさでどの程度効果があるのかおおよそわかるので、様々な部屋への提案も容易だ。

   今後の新たな消費拡大商品と成り得るだろう。
   植物の持つもう一つの機能として、加湿効果が挙げられる。どんな高性能の加湿器でも、水蒸気に混入した微量の不純物の放出は防ぐことはできず、現在加湿器から放出される微生物が健康障害を引き起こすとして問題になり始めている。一方、植物から出される水蒸気は純粋な蒸留水なので安全である。さらにハイドロカルチャーの場合は水位管理によって蒸散コントロールもできる。
空気浄化植物で消費拡大を
   環境の時代ともいえようか、浄水器や空気清浄機の消費が昨年来より大幅に増えているという。その中で、イミテーションの観葉植物の鉢部に空気清浄器を付けた商品を販売及びレンタルする企業が業績を伸ばしている。顧客からするとインテリアと空気浄化昨日が一緒になっていれば一石二鳥という判断もあるのだろうが、我々の業界にとっては問題だ。

   本来植物の持つ効用は、育てる楽しみや装飾的な効果だけではなく、ストレス解消、空気浄化、加湿効果等様々で、植物の生育に困難な場所以外、イミテーション植物の普及は絶対あってはならないと確信している。今後グリーンレンタル分野においても、家庭消費分野においても、このソラグリーンは新しい消費拡大の商品として大いに期待できるものである。